IIJlab newsletter
#2: 1998/08/06 「最近のIPv6 --- その2」
$Id: index.html,v 1.1.1.1 2003/08/28 05:58:03 itojun Exp $
ずいぶん御無沙汰していました。
前回、
struct sockaddr_in6の変更についておはなししましたが、
今日来たmailによると、どうやら変更は一部とりやめになった模様です。
draftを読んでみるまで正確なことは言えませんが、
どうやらsin6_scope_idは入るがsin6_ifindexは入らない模様。
この件については
IETF42でinternet-draftの著者に聞いてみたりして、
またお知らせしようと思っています。
ぼくらは
sin6_ifindexを既に足してしまっていたので、また外さないといけません。
こんなことでめげる我々ではありませんが、あぁ大変。
最近はIPv6的にはあたらしいdraftもなく、ガンガン実装を続ける日々です。
どちらかというと我々の課題は、他のプロトコルとのすりあわせに
移ってきているような気がします。
もちろんIPv6基本スペックについてもたくさん実装しないといけないことは
あるのですけど。
というわけで、今回は「他のプロトコル」の例として、
mobile-ipの実装(予定)状況についてちょっと。
IPv6用のmobile-ipは、
IETF mobileip wgから既に提案されているのですが、
いまひとつ実装しようという気分が盛り上がりません。
これは、多分以下のような理由によるのだと思うのです。
- 「モバイルホスト利用の理想像」がない
DHCPとか、IPv6のstateless address autoconfigurationとかにより、
モバイルホストはいつでも動的にIPアドレスをもらえるようになりました。
こうなると、どうしてmobile-ipを使って固定のIPアドレスを利用している
ふりをしなければいけないのか、わかりません。
dynamic DNSなんてのもありますが、こちらもどうやって利用すればいいのか
指針がない状態です。
- mobile-ipがないと困る場面がない
上とかなり同じことを言っているのかもしれませんが、
どうしてもmobile-ipがないと困る場面をみつけられずにいます。
もしあるとすれば、(1) IPアドレスによる認証、
(2) (wireless WAN等での)IP subnetの激しいローミング、
のふたつくらいです。
(1)のIPアドレスでの認証は使ってはいけない技術なので、却下。
ちゃんとIPsecのAHを使いましょうね。
(2)については、現状ではたいがい移動は物理層に隠蔽されてしまうので
ローミングは計算機からは認識できません。
例えば携帯電話でpppしている場合、
移動しても携帯電話機の外にあるもの/ひとからは移動は認識できませんよね。
IP層での接続は常に「ぼくとプロバイダ」のpoint-to-point接続で、
移動しても直接的な変化は起きません。
携帯電話でないなんらかのwireless WANが普及して、無線のセルの
ローミングと同時にIP subnetのローミングとかを考えないと
いけなくなってくれば話は変わってきますが、現在のところそういうwireless
WANについて聞いたことがありません。
もし著者が知らないだけだったら
教えて頂けると嬉しいです。
-
mobileip wgと
ipng wgの間の摺合わせがいまいち。
IPv6用mobile-ipでは、「IPv6全ホストはxxxをサポートしてくれないと困る」
みたいな記述があるのですが、この点についてipng wgの方では議論された
ことはほとんどないように思います。
別々のworking groupで作業をしていて、摺合わせや連絡が
うまくいっていないみたいなかんじですね。
さてどうしたもんでしょう。
なにかぐっとくるアプリケーションが出て来れば解決するのですが、
なにかあったらおしえてくださいね。
というわけで、
とりあえずmobile-ip関連の資料を読んだりして悶々としつつ、他の部分の
実装に追われる日々なのでした。
(IIJ技術研究所
いとうじゅんいちろう)
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